ゆとり世代の営業マンの特徴とは?
現在、新卒で入社する社員のほとんどは1987年以降に生まれ、ゆとり教育を受けた“ゆとり世代”だ。非効率な法人営業を効率化し、BtoBマーケティングの変革を目指す株式会社イノベーションは、世代とともに変化する営業スタイルを調査するため、管理職や部下を持つ社員を対象に「あなたの職場環境に関するアンケート」を実施した。
今回、「無知」「教養のない」「コミュニケーション能力が低い」などのネガティブなイメージが先行する“ゆとり世代”について、20代~50代のビジネスマン329人を対象に「あなたの職場環境に関するアンケート」を実施したところ、他の世代とは違う“ゆとり世代”の営業マン「ゆとり営業」の実態が見える調査結果となった。
見出し
- 営業にとって必要な能力トップ3は「行動力」「積極性」「コミュニケーション力」
- 営業にとって最も必要な能力は「コミュニケーション力」と「行動力」
- 「ゆとり世代」は「社交性」はあるが「忍耐力」「行動力」がない
- 営業力が評価されているのは「ゆとり営業」のうちのわずか15%
- 世代の変化とともに「行動重視型」から「効率性重視型」の営業スタイルに変遷している
- ゆとり世代の社員に対して1番求めるのは「完遂するまで辛抱強く仕事に取り組む」姿勢
- 「ゆとり世代」は「ITツールを利用して効率よく業務をこなす」点が長けている
- 「ゆとり世代」は「指示通りにしか動かず」、「常に指示待ち」
- 「ゆとり世代」をやる気にさせるには「結果に対して、できた部分を褒める」
営業にとって必要な能力トップ3は「行動力」「積極性」「コミュニケーション力」
調査の結果、「以下にあげる能力のうち、あなたが「営業」にとって、必要だと思う能力をすべてお選びください」(複数回答)という問に対して、回答の上位3項目は「行動力」(78.1%)、「積極性」(63.2%)、「コミュニケーション力」(62.0%)となった。特に「行動力」に関しては、8割近くの人が重要だと回答しており、先輩社員は「行動力」を重視していることが伺える。これは、ITが発達する以前の営業マンが、とにかく電話でアポイントを取り、足を運んで商談を取ってきていた頃の名残なのかもしれない。
営業にとって最も必要な能力は「コミュニケーション力」と「行動力」
「前問でお答えいただいた「営業にとって必要な能力」のうち、もっとも必要だと思う能力をひとつお選び下さい」(単数回答)という問に対しては、「コミュニケーション力」(26.4%)と「行動力」(25.8%)がほぼ同率で最も必要だと考えられている。現在、多くの営業は、クラウドサービスの登場により月額課金の低単価なサービスを多くの企業へ拡販していくスタイルに変化しており、1社1社違った課題を抱える企業のニーズを汲み取る「コミュニケーション力」が必要なため、このような結果になったと考えられる。
「ゆとり世代」は「社交性」はあるが「忍耐力」「行動力」がない
「あなたの周囲の「ゆとり世代」の部下や後輩は、以下の能力が高いと感じますか。当てはまるものをそれぞれお答えください」という問いに関しては、「忍耐力」「行動力」が高いと感じている人は10%以下という結果になった。これらはゆとり世代社員の特徴である「指示待ち姿勢」、「打たれ弱い」といったイメージを表わしていると考えられる。
営業力が評価されているのは「ゆとり営業」のうちのわずか15%
「「ゆとり世代」の社員の営業力について、あなたの気持ちに近いものをお選びください」という問い対しての回答では、「どちらでもない」(41.9%)が一番多い回答だったが、「とても営業力が高い」(2.7%)と「どちらかと言えば高い」(12.8%)を足しても15.5%なのに対し、「とても営業力が低い」(9.4%)と「どちらかと言えば低い」(33.1%)の合計は42.5%と、約3倍近い差がついた。先輩社員は営業の必須能力として「行動力」を挙げているが、ゆとり世代の営業マン「ゆとり営業」にはその能力が十分備わっていない印象を持っているため、こういった評価になったと考えられる。
世代の変化とともに「行動重視型」から「効率性重視型」の営業スタイルに変遷している
「以下にあげる“各世代の営業”の特長について、あなたのイメージに最も近いものをそれぞれお選びください」という問いに関しては、「団塊世代」の営業に対する印象は、半数近くの人が「行動重視型」と回答し、年代を経るにつれその傾向は減少、「ゆとり世代」の営業に至っては「行動型重視型」は3%程に留まった。一方で、無理なく効率よく取り引きを決める「効率性重視型」割合が他の世代と比べて高く、「ゆとり営業」の営業スタイルとなっている。ITの発達により様々な便利なツールが登場したことも、各世代の営業マンが「行動重視」から「効率性重視」へと変遷した理由の1つだと考えることができる。また、社会的な背景として仕事の「効率性」が重視される世の中になったからなのではないだろうか。
※この調査での各世代の定義
・団塊の世代 : 1947年から1949年生まれの営業
・バブル世代 : 1965年から1969年生まれの営業
・氷河期世代 : 1970年から1982年生まれの営業
・ゆとり世代 : 1987年から2004年生まれの営業
ゆとり世代の社員に対して1番求めるのは「完遂するまで辛抱強く仕事に取り組む」姿勢
「「ゆとり世代」の社員に対して、あなたが期待することを以下よりお選びください」という問いでは、「完遂するまで辛抱強く仕事に取り組む姿勢」(38.3%)が1番期待されている回答となっており、「ゆとり世代社員」特有の忍耐力の無さの裏返しとして、このような期待を持たれているのかもしれない。
「ゆとり世代」は「ITツールを利用して効率よく業務をこなす」点が長けている
「「ゆとり世代」の社員に対して、あなたが評価できる部分を以下よりお選びください」という問に対しては、「ITツールを利用して効率よく業務をこなす」という回答が1番多く選ばれており、デジタルネイティブ世代ならではの評価となった。パソコンや携帯電話、スマートフォン等のITツールに囲まれて育った「ゆとり世代」に対して、他の世代よりも効果的にITツールを活用して、効率よく仕事をこなしていると感じているようだ。
「ゆとり世代」は「指示通りにしか動かず」、「常に指示待ち」
「「ゆとり世代」の社員に対して、あなたが評価できない部分を以下よりお選びください」という問いに対し、「指示通りにしか動かない」(38.6%)「常に指示を待っている」(31.0%)といった項目でのポイントの高さが目についた。「ゆとり世代」は「行動力」が足りていないと感じている先輩社員が多いため、基本的に受け身の姿勢である「指示通りにしか動かない」、「常に指示を待っている」という項目にポイントが集まったと考えられる。
「ゆとり世代」をやる気にさせるには「結果に対して、できた部分を褒める」
そんな「「ゆとり世代」の社員をやる気にさせるために大切なことを以下よりお選びください」という問に対しては、「結果に対して、できた部分を褒める」という回答が37.1%となり、他と比べられることになれていない「ゆとり世代」の教育方法を表した結果となった。また、上記の結果の理由の1つとして、「ゆとり世代」は「忍耐力がない」と感じている先輩社員が多いため、「注意する」ではなく、「褒める」というやり方でモチベーションをコントロールしているようだ。
【調査概要】
・調査名称:あなたの職場環境に関するアンケート
・調査方法:インターネット調査(株式会社ジャストシステムFastaskを利用)
・調査地域: 全国
・調査期間: 2015年8月19日(水)~ 8月20日(木)
・調査対象:20代~50代の会社員の男女計329人
提供:Yahoo ニュース
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