日本のIT業界に足りない3つの職種とは?

IT業界の分野で、不足を感じている3つの人材カテゴリーがある。それは「デザイナー」「プログラマー」「セキュリティ人材」である。いずれも対症療法的な人材育成に終始して明確な育成活動は見られない。根本からの教育改革と評価を含めた環境改善を実施すれば、日本人の能力からしてこれらの人材は補えるはずだ。

情報に限らず、どの分野でも議論の収斂はよく人材問題になっていく。その論調はいつも「不足」であり、そのための人材育成論も盛んである。永遠の課題のようにも見え、そういう一面は現実としてある。環境がどんどん変わっていく社会の中で、求められる人材像が固定ではないからだ。

産業の振興や企業の持続的発展のためにイノベーションが求められる今日では多様な人材が必要となる。イノベーションの構想と実行と展開ができる人材はそうそういるわけではない。その先には組織活動としてのダイバーシティがある。

別の切り口から見ると、人材不足を理由にした責任逃れが見えてくる。育成と言いながら他人事のように自らの育成は忘れている。筆者は恩師の先輩から「世間から評価される複数の得意分野があって初めてプロと言える」と言われながら育てられた。

いつもそれを意識してきた。30代から異業種交流にも盛んに参加した。その結果少なくとも多様性の理解は深まった。自分に無いものや弱点を知り、違いを尊重し取り入れることが出来るようになった。人材育成は他を育てることでもあるが、各各(おのおの)が育つことでもある。永遠の課題は解決できる課題でもある。

IT業界に足りない3つの人材

情報分野もいつも「人材不足」だと言っていながら、求める人材像は曖昧である。世界最高峰の情報技術者と言ったり、社会貢献できる実務的な情報技術者と言ったりして具体性がない。従って大学や大学院の教育でも具体的な育成モデルがない。

筆者が本格的にIT業界に関わって13年ほどになるが、ずっと不足を感じている3つの人材カテゴリーがある。それは「デザイナー」「プログラマー」「セキュリティ人材」である。

筆者が言うデザイナーとはシステムをベースにビジネスデザインができる人材であり、システムを最適化させるためのシステムデザイナーである。前者はCIOの最大の役割であると思うし、後者はソリューションプロバイダーのプロフェッショナルなシステムアーキテクトである。

プログラマーはコンピュータの根源である仕組みを理解し扱うことができるスーパープログラマーと事業分野でイノベーションや課題解決を自らできるその分野を知り尽くしたプログラマーである。そしてセキュリティは、最先端技術を扱える人材や企業内でセキュリティ企画と対策ができる人材である。

手を打たないのは不作為の罪

これらの人材が不足しているにもかかわらず、対症療法的な人材育成に終始して明確な育成活動は見られない。資格取得が目的化している主客転倒さえ見受けられる。

そもそもデザイナーはその役割の認識や必要性の理解さえ乏しい。デザインマインドやスキル養成、モデリングなど手法の学習も疎かである。ビジネスをデザインすることなく、いきなり「要求定義」から議論が始まる日本の企業情報システム作りは異常である。

プログラマーに至ってはSI企業では下積みのキャリアに位置づけられ、惨憺たる状況にある。ユーザー企業でプログラミングができる人材も極端に減っている。

セキュリティ人材はなり手がいない。多くの技術を体系的・実践的に学び、常に最先端で起こっている事象にキャッチアップしなければならない。高度な技術を身に付けても、その見返りとして十分な処遇で迎えられることがない。キャリアモデルも見えないから、なり手がいないのは当然である。教えられる人材が少ないから、大学でも高度な情報セキュリティを教えている拠点や学科は数えるほどである。だがセキュリティはある意味で“戦争”だ。関心が高い人の自習で対処できるレベルの問題ではすでにない。

根本からの教育改革と評価を含めた環境改善を実施すれば、日本人の能力からして3つの不足する人材は補える。RubyのソースコードやLinuxのカーネルをいじれる中学生がいることでも理解できることだ。小学生向けのプログラミング教室を始めた情報サービス企業もある。最大の問題は不作為な大人にある。

提供:http://it.impressbm.co.jp/

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