2016年は転職最善期?賃金・解雇・人口のバランスが最も良い時期

日本では一つの企業で勤め上げて定年退職しようと望む人が多い。転職はしないに越したことは無いと考えられており、日本人は昔から転職を好まないところがある。転職率のピークは第二新卒狙いの20代で、それから後は年齢とともに激減してゆくが、それはキャリアアップ型の転職が日本では少ないためだ。

あまり知られていないが、このような日本における「転職」は給与を上げるためのものではなく、解雇リスクをヘッジするための職場移動である。

2016年に転職すれば、大きな価値がある

グラフのように日本では転職後に賃金が下がることが多く、特にその減少率は高齢になるほど顕著になるが、時間とともに賃金が回復してゆくことが分かる。

つまり、欧米では転職と言えば賃金を上げてゆ2016年に転職すれば、大きな価値があるくキャリアアップを指しているが、日本では「共同体の住み替え」を指している。転職するたびに低い賃金から下積みをして、徐々に共同体に馴染んでゆくという行動様式になっているからである。

日本人のキャリアで問題になるのは、業績の悪化に伴う解雇である。

2016年に転職すれば、大きな価値がある

図のように自身の昇進に限界があって、なおかつ電機メーカーのように業績が悪化すると、退職勧奨を伴う形で会社から出される。良く言われるように企業を出された中高年は非正社員として給与が半減することが多いから、転職には現行キャリアの断絶を避けるリスクヘッジにしかメリットを見出せない。すなわち、「危ない共同体」から「安全な共同体」に住み替えるという避難行動である。

この行動では短期的には給料が下がるから損するように見えるが、中長期的に見て解雇されるよりは生涯賃金が大きくなる可能性が高い。見方を変えれば、転職者はあまり賃金の低下を恐れる必要がない。転職先で努力すれば、賃金の引き上げは可能だからである。

このような「安全な共同体」への住み替えを2016年のうちに行う価値は、十分にある。ここには、三つの理由がある。

第一に、解雇の金銭解決が、2016年の通常国会に向けて準備されており、早ければ2016年中の施行になる。連合は民主党を通じて抵抗するため会期通りに審議が進むかは分からないが、日本でも解雇が定着する可能性が見えてきた。金銭解雇は左傾色の強い欧州でも法制化されている政策であり、中長期的にみても法案が成立する公算が高い。

第二に、アベノミクスがいつまでも長続きするはずがなく、息切れが起こると同時に企業が解雇に踏み切る可能性が高い。現在の世界経済は、主要な中央銀行が量的緩和を打つ中で強引に維持されている官製相場である。また、安部政権は消費税導入を支援するための財政政策として大規模な景気対策を打ってきたから、必ずしも日本経済が好調であるがゆえに景気が維持されている訳でもない。株価が下がると同時に息切れした経済は企業業績を直撃し、情報システム/広告/サービスといった幅広い分野で雇用の悪化を招くだろう。

これは企業が中高年の解雇を進める大きな理由になる。特に日本企業は縮小してゆく内需に以前から手を焼いており、模範企業として人事畑で知られるJTのように、グローバル市場の業績が好調でも国内では着実に雇用リストラを進める可能性が高い。

第三に、これが最も大きな理由になるが、大卒の男性正社員が既に余っているからである。

終身雇用制度を支えてきたトリックの一つは、団塊世代に大卒が少なかった点にある。仮に有能でも高卒社員は無条件で大卒社員の部下になってきたが、現代ではこれとは逆の現象が起こる。

賃金は学歴別に管理されているから、人事部からみて解雇を狙うべきが大卒社員である。企業からみれば、中高年かつ大卒の賃金が、最も重い負担になるからだ。

2017年以降は合法化された金銭解雇によって大量の人員が転職市場に出てくる可能性がある。運が悪ければこれに不況が重なり、転職は困難を極めるだろう。ゆえに「共同体」を住み替え、解雇リスクをヘッジし、景気に振り回される産業から安定産業に乗り移ろうと考えるなら、2016年中の転職には値千金の価値がある。こんなに条件の良い年は、二度とやってこないかもしれない。

ただし同時に指摘しておきたいのは、日本人が解雇をあまりにも悪く考え過ぎる悪弊である。例えば、仮にある大企業で営業職を解雇になり、宅配のサービスマンになったとしても、それが絶対の悪とまでは言い切れない。

そもそも社内で失業している状態は精神衛生に悪いし、それでは給料泥棒である。職業の常として肉体労働は精神的な負担が小さいのだから、奇妙な気負いを捨ててしまえば、気楽な人生を楽しめる可能性も十分にある。

主要な宗教の教義が指摘する通り、屁理屈ではなく真の理として、人生はカネが全てではない。これからも経済的な変動が続くであろう日本において重要な能力は、カネがなくても凹むことなく、いかに楽しく過ごすかではないだろうか。いかなる状況であっても、上手に人生を楽しむ姿勢が重要である。

提供:BLOGOS

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